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「AKB憲法」予想以上に面白かった-憲法主義:条文には書かれていない本質/内山奈月・ 南野森著/PHP

 どうせ判例を否定して、二重の基準を絶賛し、統治行為を馬鹿にして言質を取られぬように自民党批判を匂わせて、「学会通説」を紹介するだけのゴミ本と思って、期待せずに読んだら、どうしてどうして面白かった。
 なるほど、評判になるわけだ。

憲法主義:条文には書かれていない本質憲法主義:条文には書かれていない本質
(2014/07/16)
内山 奈月、南野 森 他

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 ちわ。「何を(720)書くのか日本書紀」「ナイフ(712)で切り貼り古事記の編集」(P.64)。慶應付属は、黙ってても慶應大学に進学できるのに、バリバリの暗記ものも学内試験に出るんだね。ま、そうしないと、社会にでるとMARCHに首を取られるもんね。
 しかし、予想以上に面白かった。おそらく忙しいサラリーマンでも、通勤電車の往復で軽く読める。大学生さんだったら、1~3時間で読み終えると思う。
 何よりも、九大の「ナンノ」が得意のマネージャー虐めではなく、本当に「条文には書かれていない本質」を狙っているのが良い。そして、このテの「アイドル本」にありがちな、アイドルが「うなずきトリオ」になったり、逆に出しゃばり過ぎて新曲発表したりみたいなヘマはせず、「いい感じ」で自分の持ち味を出している。

 以下、自分が印象に残ったとこを引用します。

私人間適用:
 『憲法は国家権力を対象としています。(P.83)』は安手の左翼も口にするので手垢がついた感がするが、それゆえに、「私人間適用なんて知らね」、いたって冷淡に主張するのが、ある意味感動的である。『人権が侵害されたら当然、憲法が守ってくれそうな気がするけれども、じつはそうではないのです。(P.86)』

選挙制度:
 読んでて、AKBのメンが『普通選挙は正しいのか(P.125)』とか『選挙制度が政治を決める(P.129)』とか『1人1票でなければいけないのか?(P.132)』とか、それだけで笑ってしまった。
 しかし、「ナンノ」いわく、一票の格差があっても『鳥取県民の方が発言力が大きくて、東京都民の発言力は小さい(P.133)』『じゃあ、いいんじゃないの?(P.133)』等、政党的利害にとらわれず、真実を追求する態度には好感が持てる。ただ、『純粋な比例代表制(P.136)』が、選挙民が選びたい「人」が選べないどころか、自分の一票によって自分が選びたくない人間の投票に手を貸すことになることに触れられてないのが残念。比例代表こそ、『国会議員が国会議員を選ぶ制度を決めている』がゆえ、それどころか、有権者が有権者の最も都合のいい制度を決めている制度の悪しき典型なのだ。現に既に、日本国民の多くが「比例代表支持=共産党」と思っているのだ。
 その他、「インターネットが国民に定着した今、どうして直接民主制ではいけないのか」のような本質論もまで踏み込んでおり、なかなか興味深い。これをお読みの読者諸兄、どうして間接選挙が「正しい」なんて、オツムてんてん能無しな事を言ってるのか? 口パクのパンツ丸見え集団の末端メンバーのように、きちんと説明できるのか。

内閣法制局:
 「指名」と「任命」、違いを知ってる? ま、それはともかく。
 『内閣法制局という超エリート集団(P.171)』 なるほど、違憲判決って、『内閣法制局が審査していないものがほとんど(P.177)』なんだ。議員立法を増やせとか、官僚支配でファシズムみたいな丸山ウンコ政治学みたいに、世の中は簡単じゃないんだね。

二重の基準:
 へー、そういうことだったんだ。ホームズ判事云々って嘘だったの?
 アメリカの話。ルーズベルト政策の頃、最高裁が自由経済に国家が介入する法律にガンガン違憲判決を出した。でも憲法上、裁判官は罷免できない。で、ルーズは憲法の盲点を突いて、裁判官の人数を増やし、言わばアメリカの「赤化」政策を進めようとした。その反省で、経済政策のような専門的なことは国会に任せ、もっぱら精神的自由・言論の自由に関してのみガシガシ違憲判決を出す。それが「二重の基準」の嚆矢なんだそうだ。
 うそ臭いので調べてみたけど、本当のようだ。考えてみれば、天下の九州大学で憲法のコマを持ってる子だもん。ジジイでなければ、いい加減な事はいわないわな。

 そんな感じで、「どうせこんな本、芦部ネタで喜んでる馬鹿向けの偽装左翼本」と思ってる方、そして「殺せ、殺せ、朝鮮人」なネトウヨな方も、一度お読みになってみてはいかがだろうか。最悪、わずか3時間の時間の浪費で済むはずだ。「AKBのゴミ本」と笑うのは勝手。しかし、気がつけばあなたの知性はパンツ見せ女以下になっていても、誰も手助けはしないのだ。
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 西村雅史。元オウマー。大昔「オウム真理教大辞典」を共著で出して「これで幸せになる」と思ったらかえって不幸続き。糖尿病も悪化し、眼底出血で失明に怯えてます。

私は「いつでも会えるオウマー」です

常時2人オフ会受け付けてます。握手会もOKです。なお、男なので、パンチラはありません。

ただし、基本的に、土日・祝祭日希望。(日頃は普通にサラリーマンやってますので)。

あと、正体を明かさない人や殺気を感じた人は、断るかもしれません。

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