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こんな日弁連に誰がした?/小林正啓著/平凡社新書

(9.19微修正) 最高裁が日弁連に質問状…司法修習生給与問題 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100911-OYT1T00966.htm  『司法修習生に国が給与を支給する「給費制」が10月末に廃止されるのを前に、「富裕層しか法律家になれなくなる」として給費制の継続を訴えている日本弁護士連合会(日弁連)に対し、最高裁がその根拠となるデータを示すよう求める質問状を出したことがわかった。  日弁連の主張について、最高裁が文書で説明を求めるのは異例で、今後、激しい議論が交わされそうだ。』  数日前、上記のネタで面白がろうと思って、昼休みに関連サイトをGoogleってたら、たまたま『こんな日弁連に誰がした?/小林正啓著/平凡社新書』という本があるのを知って、図書館で借りて読んだ。  いやあ面白いの何の。こんな面白い本なら、買うのが正解(だって、図書館で借りた本だと、汚すとマズイので飲み屋で読めないじゃん)。何せその面白さたるや、翌日に白金高輪で乗り換えるのを忘れて三田まで行ってしまい、面倒だと神保町まで行ってタクシーで通勤、そのタクシーの中で読んでたくらいの面白さである。 読書日記「こんな日弁連に誰がした?」小林正啓著(平凡新書) http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2010/02/post-c0bf.html  内容はズバリ、司法試験の合格者増員問題と、それに反対する日弁連、その中で蠢く主流派・反主流派の抗争史である。司法試験問題に興味のある方は、とにかく面白いから読んでみろって。読めばあなたも電車を乗り過ごすって。  まず面白いのが、反主流派を「左翼」とはっきり言っているところ。そして、日弁連が何故「左翼」の影響力が強くなったか、そしてこの本の主題とも言える司法試験合格人数にまつわる左翼vs非左翼の抗争と妥協。いわゆる「経済的自立論」−−「弁護士が増えると弁護士が儲からなくなるので、ボランティア・手弁当で人権活動ができない」という「理論」が世間で通用しなくなり、なし崩し的に(とは書いてないが、自分にはそう思えた)司法試験合格者が増員され、「法曹一元論」−−難しく考えれば文字通り法曹(判事・検事・弁護士)一元って意味だが、ここでは弁護士が判事になれる事と考えると分かりやすい−−をエサに、文科省や当時の政府という新たな仕掛け人の狙い通り、法科大学院制度を飲まされ、そもそも日弁連の意向が政治的に反映されなくなっていく−−って感じだろうか。  あ、本人のブログもあります。今日一日、これを読んで遊んでたわ。 花水木法律事務所ブログ http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/ 司法試験合格者問題ネタ http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/cat20004010/index.html  特殊な話題をネタにした本なので、とにかく「この問題に興味があったら読んでみろって」としか言いようがない。  ただ、この本の主張の一つの「法曹一元論をエサにロースクール」だけど、上のブログ( http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2010/02/post-c0bf.html )にも、他にも福島県弁護士会のブログより こんな日弁連に誰がした? http://www.fben.jp/bookcolumn/2010/03/post_2458.html  にも同意見があったけど、『…違和感があります。「法曹一元化に熱狂した多くの弁護士」という書き方には、どれだけの根拠があるのでしょうか。私は法曹一元化になったらいいと今も昔も考えていますが、だからといって熱狂していないし、それを実現するために法科大学院を支持したという気持ちはほとんどありません。』と書いてあるとおり、「法曹一元論がエサになってた」って本当なんでしょうか。  自分は弁護士でないので「リアル感覚」が分からないけれど、あの当時だと、むしろ「世論が法科大学院を望んでいた」というのが本当に思えるのですが。  ま、大学三年で択一落ちて諦めて良かったわ。ひゃっひゃっひゃっ。
紅白バージョン。 マツケンサンバ?/松平健
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713: by sinzinrui on 2010/09/25 at 08:54:52 (コメント編集)

井上信三様 はじめまして。
 確かに、そもそも司法修習生がどうして無料だったのか、あんまり根拠はないですよね。
> そういうことならいっそ司法研修所など廃止して、司法試験に
>合格したら直ちに弁護士資格を与え、弁護士業務を行えるように
>してもなんら差し支えなかろう。そして簡単な事件から経験をつ
>んでいって一人前の弁護士になればよい。判事・検事希望者には
>別途の判・検事研修所を設けて教育すればよいだけである。
 最初は、司法修習生制度を法科大学院に含ませるような考えだったと思います。
 そもそも、下記BLOGのとおり、「6年後の月額2万3000円(筆者注:奨学金返還額)が許せないなら、弁護士登録の「最初から」課される、月額5万円を超える(地方によっては10万円を超える)弁護士会費がなぜ許せるのか。」と。
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-2614.html
 弁護士の中には、それこそ「人権」のために手弁当で頑張ってる人がいるのは事実ですが、それをしたいがゆえに、「食い扶持を確保せよ」「人数を増やすな」なんてお門違いもいいところ。左翼活動のために、本当の市民からの相談が高価で据え置き(こんな思想では、大事な「人権」のために、市民の相談は手抜きだってありえそう)では本末転倒です。
> ある弁護士のブログによれば、若手弁護士の出す書類が箸に
>も棒にもかからないようなひどいもので、2年間の研修を受けて
>きたものとは到底考えられない、とあった。
 これは、老弁護士が既得権利益のために言ってるのかな、なんて自分は邪推しています。
 例の「フロッピーの魔術師」も、さぞかし優秀な旧司法試験出身でしょ?
 自分は新司法試験賛成論者です。本当に室が低いのならば、例えば新司法試験入学資格をセンター試験みたいなのにして足切りするとか、方策はいろいろあるはず。日弁連は、本当は自分の権益のために「減らせ」と言ってるだけと思っています。

712: by 井上信三 on 2010/09/24 at 10:06:53 (コメント編集)

下記は他のブログに私がしたコメントです。
11月からの廃止が決定している司法修習生給費制の見直しを民主党が検討しているそうだ。廃止法案は6年前に民主党も賛成して成立した。それを状況が変わった訳でもないのに、弁護士らの根拠皆無の反対を認めて見直すと言うのは筋が通らない。
 給費制がなくなっても入学金授業料は無料、月に20万以上の無利子奨学金を全員が得られる等、修習生は非常に恵まれている。普通の学生は高額な入学金授業料を払い、奨学金も有利子が普通で数万円ほど。
 司法修習に多額の費用がかかると弁護士会は主張しているが、例えば医師の養成には、特に私立医大、司法修習とは比較にならない莫大な金がかかるが全て自己負担、奨学金は前記の通りだ。
 弁護士は公益の為の存在と自称しているが、そういう者はごく少数で大部分は私利の追求が主目的。客が多くて儲かる大都会に弁護士集中の一方で無弁護士県があることがその証拠。医師は人間にとって不可欠の職業だが、医師を含めた他の職業とも違って弁護士などは元々無用のものであり、弁護士養成だけに多額の税金を支出するのは不公平で納得できない。
 給費制を望むなら、欧米のように殆ど全ての教育の無料化を実現してからにすべきだ。OECD国中で教育費の公的負担が最低である日本で、入学金や授業料が無料である事が非常な恩典である事を国民に感謝こそすれ給費制復活を運動するなどとんでもない事である。<
 ある弁護士のブログによれば、若手弁護士の出す書類が箸にも棒にもかからないようなひどいもので、2年間の研修を受けてきたものとは到底考えられない、とあった。
 私が本人訴訟をやった経験(簡単なものだが数件)から見ても、相手の代理人であるベテランの弁護士でも準備書面の書き方や証人尋問であきれるほどひどいものがあった。 
 そういうことならいっそ司法研修所など廃止して、司法試験に合格したら直ちに弁護士資格を与え、弁護士業務を行えるようにしてもなんら差し支えなかろう。そして簡単な事件から経験をつんでいって一人前の弁護士になればよい。判事・検事希望者には別途の判・検事研修所を設けて教育すればよいだけである。
 そうすれば修習生に対する給費問題など消えてしまうし、国家試験災難間の司法試験に合格するほど頭のよい諸氏であるから、合格即開業で生活費に困る事もなかろう。
 
 
ともかく弁護士達は自分を何様と思っているのだろう。

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西村雅史(本名本写真)。元オウマーです。大昔「オウム真理教大辞典」を共著で出して「これで幸せになる」と思ったらかえって不幸続き。糖尿病も悪化し、眼底出血で失明に怯えてます。

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