こんな日弁連に誰がした?/小林正啓著/平凡社新書
法律 - 2010年09月18日 (土)
(9.19微修正)
最高裁が日弁連に質問状…司法修習生給与問題
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100911-OYT1T00966.htm
『司法修習生に国が給与を支給する「給費制」が10月末に廃止されるのを前に、「富裕層しか法律家になれなくなる」として給費制の継続を訴えている日本弁護士連合会(日弁連)に対し、最高裁がその根拠となるデータを示すよう求める質問状を出したことがわかった。
日弁連の主張について、最高裁が文書で説明を求めるのは異例で、今後、激しい議論が交わされそうだ。』
数日前、上記のネタで面白がろうと思って、昼休みに関連サイトをGoogleってたら、たまたま『こんな日弁連に誰がした?/小林正啓著/平凡社新書』という本があるのを知って、図書館で借りて読んだ。
いやあ面白いの何の。こんな面白い本なら、買うのが正解(だって、図書館で借りた本だと、汚すとマズイので飲み屋で読めないじゃん)。何せその面白さたるや、翌日に白金高輪で乗り換えるのを忘れて三田まで行ってしまい、面倒だと神保町まで行ってタクシーで通勤、そのタクシーの中で読んでたくらいの面白さである。
読書日記「こんな日弁連に誰がした?」小林正啓著(平凡新書)
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2010/02/post-c0bf.html
内容はズバリ、司法試験の合格者増員問題と、それに反対する日弁連、その中で蠢く主流派・反主流派の抗争史である。司法試験問題に興味のある方は、とにかく面白いから読んでみろって。読めばあなたも電車を乗り過ごすって。
まず面白いのが、反主流派を「左翼」とはっきり言っているところ。そして、日弁連が何故「左翼」の影響力が強くなったか、そしてこの本の主題とも言える司法試験合格人数にまつわる左翼vs非左翼の抗争と妥協。いわゆる「経済的自立論」−−「弁護士が増えると弁護士が儲からなくなるので、ボランティア・手弁当で人権活動ができない」という「理論」が世間で通用しなくなり、なし崩し的に(とは書いてないが、自分にはそう思えた)司法試験合格者が増員され、「法曹一元論」−−難しく考えれば文字通り法曹(判事・検事・弁護士)一元って意味だが、ここでは弁護士が判事になれる事と考えると分かりやすい−−をエサに、文科省や当時の政府という新たな仕掛け人の狙い通り、法科大学院制度を飲まされ、そもそも日弁連の意向が政治的に反映されなくなっていく−−って感じだろうか。
あ、本人のブログもあります。今日一日、これを読んで遊んでたわ。
花水木法律事務所ブログ
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/
司法試験合格者問題ネタ
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/cat20004010/index.html
特殊な話題をネタにした本なので、とにかく「この問題に興味があったら読んでみろって」としか言いようがない。
ただ、この本の主張の一つの「法曹一元論をエサにロースクール」だけど、上のブログ( http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2010/02/post-c0bf.html )にも、他にも福島県弁護士会のブログより
こんな日弁連に誰がした?
http://www.fben.jp/bookcolumn/2010/03/post_2458.html
にも同意見があったけど、『…違和感があります。「法曹一元化に熱狂した多くの弁護士」という書き方には、どれだけの根拠があるのでしょうか。私は法曹一元化になったらいいと今も昔も考えていますが、だからといって熱狂していないし、それを実現するために法科大学院を支持したという気持ちはほとんどありません。』と書いてあるとおり、「法曹一元論がエサになってた」って本当なんでしょうか。
自分は弁護士でないので「リアル感覚」が分からないけれど、あの当時だと、むしろ「世論が法科大学院を望んでいた」というのが本当に思えるのですが。
ま、大学三年で択一落ちて諦めて良かったわ。ひゃっひゃっひゃっ。
紅白バージョン。 マツケンサンバ?/松平健
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