トップページ | 全エントリー一覧 | RSS購読

不屈の棋士/大川慎太郎著/講談社現代新書

 斎藤慎太郎の勝ちっぷりも事前貸出によるバグ突きだったんだ。

不屈の棋士 おはようございます。
 こんな本があったんだね。11名の将棋プロ棋士に、コンピュータソフトさんとどっちが強いかとか、棋士業界はなくなっちゃうかとか、もう学会は勝利宣言したぞとか、事前貸出しょぼいぞとか、なかなかエグい質問を聞いていく企画である。
 羽生・渡辺明、勝又・西尾・千田、山崎・村山、森内・糸谷、佐藤康・行方にインタビューしているが、それぞれの棋士の対応も立場を考えると面白い。
 おそらく、勝又・西尾・千田の3人の本音爆発がメインなのだろう。冒頭の、斎藤慎太郎の勝ちも実は事前貸出によるソフトの癖狙い云々も勝又清和氏の発言。『三浦さんが負けて人間対ソフトの決着がついたというのが僕の持論(P.98)』だそうである。一方、羽生・渡辺の両巨頭は、どこか言いにくそうだ。他の棋士にしてもそうだが、どこか「そんなこと分かってるんだけど」と言外に言ってる気がする。
 結局、各インタビューを総合すれば、コンピューターソフトさんの実力は「序盤は荒いが中終盤は圧倒的な力を誇り、もはや人間なんか話にならない。」ということになろう。そして「序盤だってそのうち...」であることも。
 あと、「新聞も経営が苦しい」という意味合いの言葉を出版物であまりみた記憶がないが、そこまで踏み込んでるのはこの本の「買い」に思えた。ただ、それは要するに、「将棋界の将来はないぞ」と言ってるようなものである。
 将棋界の将来。結局、西尾明氏の『ニーズがあるかどうか』『人間同士の将棋を見たいと思ってくれるファンがたくさんいるか(P.138)』に尽きると思う。しかし、その将来は辛いだろう。三浦さんの疑惑事件があろうとなかろうと、将棋人口は格段に減っている。将棋マガジンも近代将棋も週刊将棋もなくなり、将棋世界の免状授与者も詰将棋サロンの応募者も30年前と比べて目を覆うような数字である。半減・1/3減なんて生易しい数字ではない。
 いつも書いてるけど、箱根駅伝の総距離を新幹線は1時間で走るが、誰も「駅伝よりも新幹線のほうが早い」「箱根駅伝なんて時代遅れ。世界の電車のスピード合戦の方が面白い」なんて誰も言わない。しかし将棋は絶対にそうならないのだ。マラソンは体力増強に必要だし、ルールを知らなくても見てて楽しい。しかし、将棋をことさらに覚えなくても頭脳は鍛錬できるし、ルールを知らないとちっとも楽しめない。要するに、マラソンに限らずスポーツは必要だが、将棋なんか世の中にいらないのである。チェスと違って日本ローカルだし。

 でも、三浦弘行さん事件、どう決着するんだろう。
 これが幕引きなんだろうか。
関連記事
スポンサーサイト
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
8189: by いんこ on 2016/11/14 at 22:23:45

将棋人口は昔より減ってもまだまだ大丈夫だと思います。羽生さん世代が生きてる間は、、、。三浦さんで止めといて、羽生さんとか渡辺さんは温存しとけばいいです。でも最強コンピューターと羽生さん、渡辺さん、天彦さんはみたいですね。特に羽生さんはどんな手を指してくるか。ミスがないしどんなでも指すし。人とコンピューターの頂上決戦はタイトル戦できるかもしれませんね。
竜王戦の予定があったからしょうがないとはいえ、三浦さんの潔白が証明されて、あるいは証拠を証明できなくて、結局連盟の谷川さんか島さんあたりが謝り落ち着くか、責任とって辞めるかでしょう。損害賠償は三浦さん次第ですね。



最新コメント

Twitter

顔本

Yahoo! 天気予報

プロフィール

sinzinrui

Author:sinzinrui
 西村雅史。元オウマー。大昔「オウム真理教大辞典」を共著で出して「これで幸せになる」と思ったらかえって不幸続き。糖尿病も悪化し、眼底出血で失明に怯えてます。

最新記事

カウンタ(2011.8中旬あたりから)

リンク1

リンク2

カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
政治・経済
33位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
政治活動
14位
アクセスランキングを見る>>

カテゴリ

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム