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全共闘はポピュリズム運動であるー珍書「シルバーデモクラシー/寺島実郎著」を読んで

 おはようございます。
 今朝のNHKニュースによれば、労組団体の連合東京は、小池百合子新党「都民ファーストの会」の一部候補を推すそうです。民進党、労組依存体質からますます脱却できて良かったね。



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 タイトルと出版社に”惹”かれて、「シルバーデモクラシー/寺島実郎著」という本を読んだ。そして出版社が「あの」岩波書店なのである。しかし、「あの」出版社がシルバーデモクラシーをどう捉えるのか。かえって興味が湧いて買ってしまった。しかも論じられているのが、現代政治のキーワードの一つ、シルバーデモクラシー。かつては朝日新聞と並ぶ「あっち系」の代名詞・岩波書店が、橋下徹引退のきっかけとなったや都構想否定や「老人ファースト」政治に不満をぶつける若者をどう描くのか。ちなみに筆者は70歳前後のジイさんである。
 全然違った。やってくれた。さすが岩波書店。前書きからいきなり、筆者ご自慢の出身大学・小保方大で全共闘運動の思い出に浸り、ボブ・ディランは思い出かと。そして本文もよろずこんな感じ。80年台後半、当時の大学生に吐き気を起こさせ左翼嫌いの遠因を作った薄気味悪い老人の「昔は良かった、懐かしいなあ」オンパレードである。オエッ! そして安倍総理批判。第4章には「なぜ高齢者はアベノミクスを支持するのか」なる奇怪な言葉もある。
 さよう。この老人および岩波書店編集部にとって、シルバー民主主義とは「懐かしの全共闘運動」「懐かしの安保闘争」を闘って、さっさと企業戦士としてたらふく金儲けして悠々自適の金満老人が、さあ、会社もやめたからまたゲバ棒ごっこを思い出そうぜと思っても、かつても老戦士が自民党を支持していることらしいのである。寺島実郎という人は、シルバーデモクラシーはいいから、普通の日本語の新聞用語を勉強し直したほうが良いと思う。
 シルバーデモクラシーとは、寺島実郎のような老人はとっとと死ねということなのだ。

 ただ、唯一興味を持ったのは、全共闘運動に関して『あの運動はいわゆる「政治運動」ではけしてなかった(P.47)』と総括しているところである。そして冷静に『現実に政治運動として残ったのはまさに指導体制の確立された政治集団たる「民青」系学生組織であり、革マル、中核などのセクト集団であった(P.49)』と分析し、非政治的政治運動である全共闘は限界を露呈して敗退したと。もっとも、「大人に指導された運動」だから民青は嫌がられただけじゃん、ということをこのオッサンは、栄光の人生の礎を作った小保方大時代をうっとりと思い出しながら、時代錯誤な抽象語を交えて語るが。
 全共闘運動とは何か。実は、全共闘運動そのものがポピュリズムだったのではないのか。少なくとも、右派ポピュリズム政治家の登場と70年台全共闘運動の勃興は、その支持者の主張に近似点がある。そういえばこの金満ジジイ、第5章第6章でポピュリズムについても語っている。もっとも、「ポピュリズム=左翼の嫌いな政治家」の枠組みであるけれど。
 全共闘とは左翼のポピュリズム運動である。だってそうではないか。全共闘運動の活動家は、保守政治家も批判するが、むしろ左翼系の大学教授や新聞を標的にしていたことは皆さんご存知だろう。当時の左翼政治家や大新聞に対して、「お前らの言うことはちっとも我々の腹を満たさん」「庶民の味方をしている左翼教授や左翼新聞のお前らだって、所詮は特権階級ではないか」。一部の資本家のみが悪いのではなく、楽しそうに左翼ごっこがエンジョイできる新聞記者・大学教授・弁護士等、こいつらこそ特権階級ではないか。我々にもその特権を与えよ。安定した雇用をよこせ。移民問題こそないが、トランプや橋下徹の言ってることやその支持者の発想と、そっくりである。
 全共闘運動の時に、「エログロ文化ハンマー論」なる珍論があった。エログロナンセンスは、お上品なブルジョワ社会を破壊するハンマーであると。そして、何かと文化的に「過激」で下品なものが「革命的」として持て囃されたことは、皆さんも御存知だろう。全く馬鹿げた話で、エログロを評価してもお上品な資本主義が下品な資本主義になるだけである。
 しかし、実際問題、大学にも入れない下々の低レベル層はエログロやナンセンスや差別が大好きである。すなわち、知ってか知らずか、全共闘は左翼運動をエリートの手から大衆化させたわけであって、日本人を収入や地位で1位からビリまでランク順に並べて、「朝日や岩波や進歩的文化人がいくら左翼的言動をしても、お前らは所詮上位陣である。そんな話を聞いても俺には一銭の得にもならないし、お前らエリートに庶民の気持ちなどわかるまい」とアピールしたのが全共闘運動である。まさにポピュリズム、大衆迎合主義ではないか。
 そして1970年代は「大卒の高卒代理化」が進み、当然大学の大衆化も進む。要するに、エログロナンセンスを下品と思わない大衆が、かつてエリートの集う場所だった大学に続々参入した時代である。そして、大衆出身のエリート大学生にとって、お上品にすましている左翼が「社会的弱者に寄り添う」と叫ぶ姿はあまりに滑稽だっただろう。

 と、もっと書きたいんだけど、出勤時間になりました。誤字脱字があったらごめん。ではまた。
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コメント
8636:Re: 寺島ってまだ存命でしたか by sinzinrui on 2017/04/06 at 21:19:07

永田町の雀様

> 同じネタで何冊も本書いてましたね、まああの世代同じというか共通ですが。

何か、相当に名の知れた、そういう人なんですね。全然知らなかったでした。
でも、多くの本を書いてるようなので、小保方大学左翼利権で、笑いの止まらない「分泌天下り」人生
を送ってるのか、なんて想像をしてましたが。

> はいはい、おじいちゃんご飯食べたでしょう?

君が有名な早稲田のローザか...

8634:Re: サンデーモーニング30周年、おめでとうございます by sinzinrui on 2017/04/06 at 21:07:59

みれい様。

> 寺島さん。
> 日曜日の朝、赤阪方面でコメンテーターをされてる方ですよね?

実は私、全然知らないで本を買ったんです。そんな有名な人なんですね。
私、日曜日は報道2001を見てしまうので、知りませんでした。

しかし、そんな有名な人なのに、書いてること、相当にあっち系のアレでした。

> 「日本が危ない」と叫び続けて30年。
> 一体、いつになったら日本は滅ぶのでしょう…

左翼業界的には、50年以上も叫んでます。

> 「小池&創価&連合」…
> かつての「新進党」です。

30年前は、社公民が既定路線だったんですが、何が悲しくて民進党は私の子供時代の
政治に戻りたがってるのでしょうか。

8632:寺島ってまだ存命でしたか by 永田町の雀 on 2017/04/05 at 23:35:21 (コメント編集)

同じネタで何冊も本書いてましたね、まああの世代同じというか共通ですが。

今時の若い者はデモに行かないと嘆き、政治に目覚めよ(本人の妄想)と、啓蒙し、若い者が保守化し政治に目覚めたら、慌てて止める。

はいはい、おじいちゃんご飯食べたでしょう?

8631:サンデーモーニング30周年、おめでとうございます by みれい on 2017/04/04 at 11:01:10 (コメント編集)

寺島さん。
日曜日の朝、赤阪方面でコメンテーターをされてる方ですよね?
お通夜みたいな神妙な雰囲気で、視聴者を暗い気持ちにさせる番組。
安倍さんのせいで、日本は開戦前夜らしいです…
「殺し殺される国」に、なってしまった…

「日本が危ない」と叫び続けて30年。
一体、いつになったら日本は滅ぶのでしょう…
評論家の皆様は、いつも安全地帯で、高みの見物。
長寿番組、おめでとうございます。


連合が、小池新党を一部推薦ですか。
「小池&創価&連合」…
これは、自民党にとっても脅威では?
共産党は、これでも小池批判を封印するつもりなのか?

小池新党公認、公明党推薦、連合推薦…
どこかで見覚えのある光景ですね。
かつての「新進党」です。
小池さんとしては、経験済みの共闘ということか?

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Author:sinzinrui
 西村雅史。元オウマー。大昔「オウム真理教大辞典」を共著で出して「これで幸せになる」と思ったらかえって不幸続き。糖尿病も悪化し、眼底出血で失明に怯えてます。

私は「いつでも会えるオウマー」です

常時2人オフ会受け付けてます。握手会もOKです。なお、男なので、パンチラはありません。

ただし、基本的に、土日・祝祭日希望。(日頃は普通にサラリーマンやってますので)。

あと、正体を明かさない人や殺気を感じた人は、断るかもしれません。

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