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こういう時代がだからこそ、幸福の科学の「ファイナル・ジャッジメント」を見てみた

(同日微修正)
 遅ればせながら、幸福の科学映画「ファイナル・ジャッジメント」を見た。
 無論「こういう今」だから見た。私の日記の読者は概要をご存じの方が多いだろうが、この映画は、中国に侵略され乗っ取られたた日本が、再度自由を取り戻すために幸福の科学の面々が戦うストーリーの映画である。
 どうしても「幸福の科学」というと偏見の目で見てしまうが、できるだけ客観的に見ようと心がけた。
 実際、後に「カエルの楽園」が大ベストセラーになったことからして、幸福の科学、百田尚樹よりも前に、実に良いところに目をつけたのである。さて、それでは作品の出来はどうか。

 だいたいこんな話だ。
11.jpg 民友党の政治家を父に持つ鷲尾正悟は、「オーラン国の日本侵略」を訴えるべく、同じく民友党の政治家を父に持つ中尾と未来維新党を結党して選挙戦を戦い、渋谷で憂国の演説を行うが惨敗する。鷲尾正悟には、在日の彼女リンがいる。リンは、オーラン国に祖国東アジア共和国を侵略され、両親を殺され日本に住んでいて、日本を東アジア共和国のようにしてはいけないと考えている。
 と書けばお分かりの通り、民友党=民主党、オーラン国=中国、未来維新党=幸福実現党であるわけで、以下、分かりやすく後者で書く。
 自分の父親が作った民主党は外圧に対して「遺憾砲」を繰り返すばかり。もっとも正悟は、日本をリンの祖国のようにしてはいけないと言いながら、ちゃっかりとリンを花火デートに誘い口説いている。

 そして数年後。
 中国は戦闘機の大群を日本に投入。日本を侵略し、国会を包囲。一瞬のうちに日本を領土にしてしまった。実にあっさりと日本は中国領になってしまう。
sibuya.jpg そして正悟が演説をした渋谷は中華風な街になり、信仰を持つ者は「国家反逆罪」として処刑される独裁国家になってしまった。でも、中華風の渋谷、なかなか素敵だったりします。
 絶望する正悟は、地下組織ROLEの存在を知る。ROLEはかつて幸福実現党で共に戦った中尾の父親が密かに作ったのだ。そこは宗派を超えて信仰を持つ人たちが集まった全宗教のネットワークだった。そして中尾(父)は、正悟が「使命」に気がつくことを期待しているようである。
 しかし、ROLEの存在に中国も気づき、ROLEメンバーの両親を信じて必死に祈った少女の目の前で、中国は両親を連行(それは処刑を意味する)、少女は信仰を捨ててしまう。正悟も、信仰に対して疑問を抱く。
akuma.jpg で、(ここがよくわからないのだが、)正悟は中尾(父)に洗脳され目覚めてしまったらしく、大きな木の下で蓮華座を組み始めてしまう。すると、元民主党の鷲尾(父)が登場し、息子に「売国政治でスマソ」と謝りながら、「宗教なんてインチキだ」と囁く。しかし正悟はそれが父親ではなく、悪魔の誘惑であることを見抜く。すると鷲尾(父)は醜い正体を見せる(いわゆる「マーラよ、去れ」の追体験)。で、よく分からないけど、正悟は地下組織で教祖になってしまい、説法を始めてしまう。
 しかし中国が鷲尾正悟教祖を許すはずもなく、鷲尾正悟を逮捕する。そして鷲尾の恋人リンは、実は中国が送り込んだスパイだったのだ。彼女は中国で出世をすることが目的で、正悟に近づいたのだった。
 中国の官憲だったリンから取り調べを受ける鷲尾正悟教祖。しかし、リンが「神なんていない」「死んだら何もない」と問い詰めて、鷲尾が「そんなことはない」「君は、お父さんお母さんと一緒にごはんを食べてるときが一番幸せって言ってたよね」と切り返す「わけわけめ」の取り調べ。
seppou.jpg
 「人が死ぬところを見るのは慣れているから」とうそぶくリン。そして国家反逆罪で鷲尾に死刑判決が下り、リンが見守る中、鷲尾は絞首刑台の前に立つ。いよいよ死刑執行、というときに、リンが「緊急事態発生」と宣言し、鷲尾を救って逃げ出す。
 ROLEには世界の支持者がいるらしく、鷲尾はかつて幸福実現党の一員として説法した思い出の地・渋谷に向かう。そして、中国軍に囲まれる中、すっかり中華風になった渋谷で、世界に向けてメッセージを送る。ただし「中国は民主主義を否定して日本を侵略した」という説法ではなく、宗教家として...

 これ、宗教を絡めたがゆえに、全てが駄目になったんだよ。
 結論として、国防の必要性も中国や共産主義の恐怖もちっとも伝わらない。中国の日本侵略という大事件が、無神論vs信仰というチンケなネタに矮小化されてしまっている。中国の脅威が「信仰」レベルに貶められてしまった。
 仮に幸福の科学でなくても、例えば葬式仏教おっとっと伝統仏教がこれを作っても「あいつらが中国と戦うわけ無いだろ。内乱で死体が増えて喜んでるんじゃないの」とか冷ややかな反応しかないだろう。また創価学会だったら「いいぞ中国、もっと弾圧しろ、殺せ!」になるだろう。ましてや中小カルト宗教なんて、「妄想ひどすぎ」「デムパゆんゆん」としか思われない。
 日本にはもう、宗教に物語を作る力はないのだ。それよりも、中国という共産主義が膨張政策をとり、日本の自由と民主主義を脅かすことそのものがリアルなのであって、我々が中国から守りたいのは信仰ではなく、信仰を馬鹿にすることができる自由である。
 
 せめて、設定をROLEなどという地下組織ではなく、「皇室」にすればなかなかの傑作になったと思う。
 ではまた。
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コメント
8682:粗筋が面白そうで終いがダメダメですね by 永田町の雀 on 2017/04/20 at 09:01:58 (コメント編集)

いやあ、面白そうながら、宗教論ではもはや、まだ亡国のイージス、のように話に色をつけあっさりしながらも、人がバタバタ死んで、まあ何とか終了一応大団円という感じでないと。

救いがなくても、面白いと思いますが、宗教で救いがないとダメですね(笑)

http://otokogumdoronikazu0000000.blog.jp/

http://wwwjtheravadanetsatoutesuroushibuykusyogaisyaombudsman0000.dreamlog.jp/

http://sesesekurokawashigeru.blog.jp/

8681:非常にすばらしいブログです by こんにちは on 2017/04/19 at 10:29:53

日本中の犯罪被害者がここで書かれているように犯人を許せるといいですね
http://wing-of-icarus.blogspot.jp/2017/03/blog-post_8.html

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 西村雅史。元オウマー。大昔「オウム真理教大辞典」を共著で出して「これで幸せになる」と思ったらかえって不幸続き。糖尿病も悪化し、眼底出血で失明に怯えてます。

私は「いつでも会えるオウマー」です

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