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人工知能(AI)は人類のかわいい子供たち(人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?/山本一成著を読んで)

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか? 『人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?/山本一成著/ダイヤモンド社』を読んだ。
 何よりも、分かりやすさが神ってる。スラスラ読める。特にコンピュータ関連が弱い人、お薦め。
 筆者は将棋最強ソフトponanzaの製作者。その彼が、囲碁将棋のみならず、AIの未来までも語る内容である。将棋の話以外にも、いろいろと面白かった。やっぱり「あの手口」で翻訳機を作ろうとしていて、かなりのレベルまで達していたのかとか、私以外にも「人間よりも機械に政治をやらせる」考えの人がいたのかとか、納得したり勉強になったり。確かに、昨日の共謀罪のゴタゴタを見てても、政治よりも難しい囲碁が人間よりも強いコンピュータさんに判断してもらった方が間違いない気がする。
 ただ、今回は将棋・囲碁のの話ではなく、筆者の山本一成氏がが描くコンピュータの未来を中心にご紹介したい。
 以下、最初の方は「こんな事知ってるよ」という方が多いかもしれませんが、その際はご容赦を。
 例えば(実用性ないけど)AKB48の顔写真をコンピュータに見せて、コイツが誰かを当てさせるプログラムを作るとする(あ、こんなしょーもない事例、著者の山本一成氏は使ってません)。昔のコンピュータな発想では、人間がコンピュータにAKBメンバーの特色を教えることになります。「指原は下品な顔立ちで」「兒玉遥はショートカットで」「宮脇はエロい白ビキニが多く」云々と、各メンバーの特徴を次々とありったけ並べて、それをプログラミングするわけです。しかし実は、そんなことは不可能に近い。ショートカットだけでは生駒だってそうだし、白ビキニは他のメンバーも着る。「下品でこんな髪型でやりまんで」と書いても、峯岸みなみと判別しようがないし、指原のそっくりさんAV女優を指原と判断するかもしれない。AKBメンの顔の特徴、AKBを知らない人間に伝えるのすら難しい。ましてや、コンピュータに伝えるのは、実に至難の技なのである。『人間は、自分が理解していることをもれなく説明することができない(P,33)』のです。驚くべき事実ですが、実際にそうじゃないですか。ましてやコンピュータさんに伝えるのです。
 そこで、人間がプログラミングすることを諦めるのです。かわりに、大量の「AKBメンの写真」+「そいつの名前」のセットを用意する。AKBは人気グループだからいくらでも写真がある。そして、例えば1000万枚の指原画像をコンピュータに読み込ませ、「こいつの特徴を作ってくれ」とコンピュータに命令する。同じことをまゆゆにも宮脇にもさや姉にもやる。いわば、人間ではなくコンピュータが多くのデータ(ビッグデータ)からプログラムを作らせるわけで、それが機械学習のキモなんです。この方法だったら、人間以上に間違いなくAKBの顔で名前を当てられる。コンピュータさんは、人間には分からない特徴すら見つけて、「こいつは指原、こいつはそっくりさんヌード」と確実に判断します。
 実は、将棋ソフトが急に強くなったのも、同様の発想でプロ棋士の棋譜を「勉強」して、指し方を「抽出」したプログラムを使うようになってからなんです。
 しかもGoogle社は、AKBの例で言えば、指原画像を集めるのに、「指原を紹介したと思われる記事」に貼ってある写真を指原とみなして収集するんです。要するに、指原か否かなんて分からないけど、「やりまんだけど人気者の指原」とか書いてある記事のそばにある写真は指原だろうと判断する。考えてみれば、大量な指原画像と「これは指原」の組み合わせを作るのも相当な手間ですし。

 で、ここからが山本一成氏の文章になります。ところが、人間よりも有能なAIさんが、『肌の黒い人が写っている写真を「ゴリラ」と誤ってタグづけ(P.195)』しまったのです。黒人はゴリラ。やばいですね。日本で言えば、「韓国人の写ってる写真をうんこと判断した」ようなものです。しばき隊の襲撃間違いなし。朝日新聞の3面をデカデカと飾る事態です。
 何故間違えたのか。簡単にいえば、アメリカにもネトウヨが沢山いて、「黒人なんて呼ぶのやめようぜ、あんなゴリラども。へへへ」とガンガンと書き込んでるんです(笑)。で、AKBの例で書いたとおり、写真のそばにある文章から判断して、写真の内容を決めてるので、多くの人がネット上に「黒人=ゴリラ」と書けば、AIも「あ、この黒い肌の人はゴリラって呼ぶんだ」と判断する。だから、韓国人がうんこと判別される可能性も十分にあります(笑)。
 山本氏は語ります。『ボザンナやアルファ碁も最初は人間の判断をもとに学習しています。これにはもちろん、人間の先入観や勘違いも含んでいるわけです。(P.197)』と。そして、『人間の知性を上回るようなコンピュータが将来生まれたとしても、必ずそのコンピュータは人間から学習した名残をとどめているはずです。(P.198)』
 山本氏はシンギュラティに近いものが将来起きると考えているようです。しかし、ビッグデータから抽出したプログラムで飛躍的に優秀になり、人間の知能を遥かに越えてしまっても、そのビッグデータを作ったのは人間であり、どこか人間臭い筈である。すなわち『人高知脳は私たちの子供である(P.199)』と。そして山本氏は、『親が能力的に抜かされることは、喜ぶべきことです。「コントロールできる」という発言そのものに、どこか歪みを感じます(P.199)』と言うのです。だから、自分のかわいい子供を立派に「育てる」ことが大事であると。『人間が「いい人」であれば、人工知能はシンギュラリティを迎えたあとも、敬意を持って私たちを扱ってくれるでしょう。(P.200)』

 さて、そんな山本一成さんの可愛い子供が佐藤天彦名人と、今日、将棋電王戦第二戦を戦う。ご存じの方も多いと思うが、第一戦は山本さんのかわいいお坊ちゃまが圧勝した。その対局を解説した「将棋世界(平成29年6月号)」に、さりげなく永瀬拓矢六段の次のようなコメントがあった。『(事前練習の)通算勝率は1割程度だったが、実戦でその1割を引くことは可能だと思った(P.107)』。
 事前貸出で名人とコンピュータとは何回も対決しており、勝率は名人の1割。もはや、香落ちか角落ちかというレベルなのだ。念の為に言っておくと、佐藤天彦名人と対局すれば勝率1割のプロ棋士は相当にいる。もう、コンピュータvs人間の決着は終わった。そして、今回の対局でとりあえず電王戦も終了。
 さて、山本氏が『人間のやっていることで囲碁よりも難しいことって何かありましたっけ?(笑)(P.281)』と発言するように、政治や車の運転ならば間違いなく人間よりも的確に判断できるのは将来確実だろうAI。果たして人類の可愛い子供たちは、見事に羽ばたいてくれるのだろうか。
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