「一握りの大企業が大衆を支配する」はプッツンなデムパか (陰謀論入門@作品社 Part2)
オウム真理教・カルト宗教 - 2022年05月29日 (日)
※これは一昨日の日記「陰謀論入門byジョセフ・E・ユージンスキ著・北村京子訳@作品社」の続き的な内容ですが、前編を読まなくても楽しめます。
「陰謀論入門byジョセフ・E・ユージンスキ著・北村京子訳@作品社」を読み終えた。
著者はトランプ大統領だけではなく、民主党のサンダースも「陰謀論政治家」として批判している。そして、その典型として語られているのが、サンダース演説のほぼ全ての主要テーマである『アメリカでもっとも裕福な一パーセントの人々がこの国の経済・政治システムを「不正に操作した」(P.139)』である。
言うまでもなく、上記「1%」理論は、日本共産党や支持者に限らず、左翼では定番の言い回しである。言い回しは微妙に違えど、「大企業が不当に大儲けする一方、庶民の生活は苦しくなくるばかり」の類の言い回しは、日本国民にとってすっかりお馴染みである。
そもそも昔の日本共産党の教科書(マルクス主義全体がそうだろう)では、三井・住友・三菱・芙蓉・三和・一勧の独占金融資本が日本を支配しているのであり、アメリカだってモルガンとロックフェラーが支配しているのだ。これらは、フリーメンソンやユダヤとは異なり、ちゃんとした学問的権威があるので、「1%」理論は実のところ普通に受け入れられている。
しかしこの筆者は、『少人数の集団がアメリカの散漫に広がった政治システム全体を乗っ取り、一〇兆ドル規模の経済を闇の中で不正操作するのは可能だろうか(P.143)』と馬鹿にしている。確かに日本の独占資本も、潰れたり乗っ取られたり、日本を支配している割には結構情けない。共産党一つ潰せない「支配」なんてあり得るだろうか。
そもそも「陰謀論」とは何か。
この筆者は『小規模かつ有力な集団が、自分の利益のために、物事の基本原則を脅かすやり方で秘密裏に行動しているとする根拠のない主張(P.140)』と定義しており、それならばマルクス主義的な社会主義・共産主義はそもそも陰謀論ということになる。
そもそも「陰謀論」と「デムパ」は別の概念なのだ。この筆者も述べているように、陰謀論は真実の場合もありうる。私に言わせれば、陰謀論もデムパも途中までは真実だったりするのだ。
「こんな感じかな」と図を作ってみた。事実と陰謀論は部分的に重なっていて、陰謀論の中でぶっ飛んでる一部がデムパ。
そういう意味では、デムパは2つの丸の交点付近で、陰謀論からもはみ出しているが、絶対に「事実のみ」領域に入らないところに置くのが良いかもしれない。
デムパは基本的に支持者がごく少数であり、多数派のデムパは一人前の「陰謀論」に格上げされる。
というのか、デムパという言葉が「ナチナチ詐欺」と同じになりつつある。あまりに安易に使われすぎて、自分が嫌いな政治主張に安易に「デムパ、デムパ」と使われすぎてしまった。神真都Qみたいな「真のデムパ」が出現した際に、「御威光」が通用しないのが現実なのだ。
要するに、日米左翼が愛用する「1%理論」「一握りの大企業が…」が正しいのか間違っているのか、なのだ。
そうなると、多少の「有利性」はあっても支配なんかできてない。これが正解になる。日本だって、現在の3大メガバンクとて吸収合併したりでヒーヒー泣いた結末なわけで、アメリカ帝国主義だって外国企業の経済侵略でヒーヒー言ってるがゆえにトランプ人気が上昇した。だから参政党みたいな「グローバル勢力=ユダヤ」なんて変なのか出てくるのだ。
「教祖」マルクスが言う「下部構造(経済システム)が上部構造(法・宗教・文化等もろもろ)を規定する」には何も根拠がないし、どう「規定」してるのかさっぱり分からない。
ただ、マルクス主義は唯物論であり、「宗教はアヘン」というように徹底的に宗教色を排除している、そして、それは現在のインテリの感覚にFITする。
日本で言えば、公明党と共産党ならば、言ってることがマトモそうなのは公明党なのに、インテリの人気は圧倒的に共産党だ。宗教がロジックに入り込むと、神も霊魂も存在しないことが常識と化した現在知性では、「宗教=インチキ・デムパ」は根強い。
1%理論が相当にいい加減なデタラメにもかかわらず、日米でそしておそらく世界の民主主義国で根強い人気があるのは、無論「貧乏人の嫉妬心に火をつける」からだろうが、宗教を捨て去ったインテリに受けが良いことも大きいのではないか。
そして陰謀論業界も、宗教色を薄めていかなければ成功が難しい。日本でもトランプは人気があるけれど、神真都Qがあっさりポシャったのは当然の結果だろう。
ではまた。
日米でもお馴染み「1%理論」は陰謀論?
「陰謀論入門byジョセフ・E・ユージンスキ著・北村京子訳@作品社」を読み終えた。
著者はトランプ大統領だけではなく、民主党のサンダースも「陰謀論政治家」として批判している。そして、その典型として語られているのが、サンダース演説のほぼ全ての主要テーマである『アメリカでもっとも裕福な一パーセントの人々がこの国の経済・政治システムを「不正に操作した」(P.139)』である。
言うまでもなく、上記「1%」理論は、日本共産党や支持者に限らず、左翼では定番の言い回しである。言い回しは微妙に違えど、「大企業が不当に大儲けする一方、庶民の生活は苦しくなくるばかり」の類の言い回しは、日本国民にとってすっかりお馴染みである。
そもそも昔の日本共産党の教科書(マルクス主義全体がそうだろう)では、三井・住友・三菱・芙蓉・三和・一勧の独占金融資本が日本を支配しているのであり、アメリカだってモルガンとロックフェラーが支配しているのだ。これらは、フリーメンソンやユダヤとは異なり、ちゃんとした学問的権威があるので、「1%」理論は実のところ普通に受け入れられている。
しかしこの筆者は、『少人数の集団がアメリカの散漫に広がった政治システム全体を乗っ取り、一〇兆ドル規模の経済を闇の中で不正操作するのは可能だろうか(P.143)』と馬鹿にしている。確かに日本の独占資本も、潰れたり乗っ取られたり、日本を支配している割には結構情けない。共産党一つ潰せない「支配」なんてあり得るだろうか。
多用されすぎた「陰謀論」「デムパ」
そもそも「陰謀論」とは何か。
この筆者は『小規模かつ有力な集団が、自分の利益のために、物事の基本原則を脅かすやり方で秘密裏に行動しているとする根拠のない主張(P.140)』と定義しており、それならばマルクス主義的な社会主義・共産主義はそもそも陰謀論ということになる。
そもそも「陰謀論」と「デムパ」は別の概念なのだ。この筆者も述べているように、陰謀論は真実の場合もありうる。私に言わせれば、陰謀論もデムパも途中までは真実だったりするのだ。
「こんな感じかな」と図を作ってみた。事実と陰謀論は部分的に重なっていて、陰謀論の中でぶっ飛んでる一部がデムパ。
そういう意味では、デムパは2つの丸の交点付近で、陰謀論からもはみ出しているが、絶対に「事実のみ」領域に入らないところに置くのが良いかもしれない。
デムパは基本的に支持者がごく少数であり、多数派のデムパは一人前の「陰謀論」に格上げされる。
というのか、デムパという言葉が「ナチナチ詐欺」と同じになりつつある。あまりに安易に使われすぎて、自分が嫌いな政治主張に安易に「デムパ、デムパ」と使われすぎてしまった。神真都Qみたいな「真のデムパ」が出現した際に、「御威光」が通用しないのが現実なのだ。
大企業は国を支配できない、しかし「1%理論」が愛される理由
要するに、日米左翼が愛用する「1%理論」「一握りの大企業が…」が正しいのか間違っているのか、なのだ。
そうなると、多少の「有利性」はあっても支配なんかできてない。これが正解になる。日本だって、現在の3大メガバンクとて吸収合併したりでヒーヒー泣いた結末なわけで、アメリカ帝国主義だって外国企業の経済侵略でヒーヒー言ってるがゆえにトランプ人気が上昇した。だから参政党みたいな「グローバル勢力=ユダヤ」なんて変なのか出てくるのだ。
「教祖」マルクスが言う「下部構造(経済システム)が上部構造(法・宗教・文化等もろもろ)を規定する」には何も根拠がないし、どう「規定」してるのかさっぱり分からない。
ただ、マルクス主義は唯物論であり、「宗教はアヘン」というように徹底的に宗教色を排除している、そして、それは現在のインテリの感覚にFITする。
日本で言えば、公明党と共産党ならば、言ってることがマトモそうなのは公明党なのに、インテリの人気は圧倒的に共産党だ。宗教がロジックに入り込むと、神も霊魂も存在しないことが常識と化した現在知性では、「宗教=インチキ・デムパ」は根強い。
1%理論が相当にいい加減なデタラメにもかかわらず、日米でそしておそらく世界の民主主義国で根強い人気があるのは、無論「貧乏人の嫉妬心に火をつける」からだろうが、宗教を捨て去ったインテリに受けが良いことも大きいのではないか。
そして陰謀論業界も、宗教色を薄めていかなければ成功が難しい。日本でもトランプは人気があるけれど、神真都Qがあっさりポシャったのは当然の結果だろう。
ではまた。
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