シン・日本共産党宣言by松竹伸幸著@文春新書、挫折した
オウム真理教・カルト宗教 - 2023年01月31日 (火)

ところで、そもそもシン・ゴジラのシンって何だろう? 私は痩せたゴジラなのかと思ったが、映画を見た限りでは立派な体格だった。「新」「真」「神」といろいろな意味をもたせて話題作りを狙ったようで、狙いはズバリ当たった。しかし、映画のゴジラはタイガー・ジェット・シンのように凶暴だった。
さて、「シン・日本共産党宣言」のシンはどれだろか。
「シン・日本共産党宣言」半分だけ読んだ

日本共産党は一枚岩と思われているが、実は党内で様々な意見がある。それゆえ、党員全員の投票で決まる公選制は対立する意見の議論の場にもなり、党のイメージアップにもなり「共産党は怖い」の世論も薄まる。そもそも公選制でない政党は共産党くらいである。
特に防衛・自衛隊に関する意見は党内でも様々に議論されている。自分は現在の自衛隊違憲論ではなく、他の野党が安心できるような現実的な政策にすべきである。
あとの方には「人間の顔をした資本主義」「左側の自民党」をめざすべき」など、現在の日本共産党を右シフトするような内容が書かれているらしい。
小出しの譲歩とレニチラ
正直、こういう議論は飽きてしまった。
日本共産党は、こういう意見が強まる事に「小出しの譲歩」を繰り返してきたからだ。

1.旧ソ連・中国の実態(独裁で非民主主義で戦争勢力)
2,マルクス、エンゲルスやレーニンの著作
3.国民からこう見られたい共産党(自由と民主主義を守る平和の党)
この矛盾した3つを止揚すべく、様々な「小出しの譲歩」を繰り返しながら、3,に見せようとする。しかもそれは2.と矛盾していないことが必要である。
しかし、このアウフヘーベンは難しい。何せ、2,のマルクスやエンゲルスとレーニンの言ってることがそもそも違うのだ。しかし革命の父・レーニンを否定できない。一方レーニンの言ってることは言い訳できないレベルでモロにプロレタリア「独裁」で「暴力」革命。マルクス・エンゲルスみたいに誤魔化しが何とかできるレベルではない。
だから自由と民主主義の宣言時代の不破・上田の著作は、「パンチラ」ならぬ「レニチラ」をして誤魔化していた。できるだけレーニンには触れたくなかったのだろう。
護憲派は憲法9条3つの矛盾を止揚する
防衛理論も同じところがある。
1.「9条」という非武装を国家に要求する条文
2,自衛隊の存在
3,国民の要望(自衛隊も安保も当然必要)

それゆえ、日本共産党に限らず「護憲派」は様々な詭弁おっとっと弁証法を展開してきた。もっとも有名なのは「自衛隊違憲合法論」だろうか。しかし「違憲合法」も「9条と自衛隊」同様に全く矛盾しており、自衛隊法的存在論にトーンダウンして自然消滅した。
そして今、おそらく全党が何だかのまやかし解釈「自衛隊合憲論」に立っている、と思う。自民党や日本維新の本音は「本当は違憲。即時改憲すべき」だろうが、一応合憲と言ってるようである。
しかし我らが日本共産党は断固として違憲であると。しかし攻めてきたら戦ってもらうと。
日本共産党は「真面目」である。自分たちの政策が、あくまでもマルクスや憲法9条に適合していることを望むのだ。軍隊あるのに「9条守ってる」とは言いたくない。だけど「非武装てす」と言うと選挙に勝てない。

明快な宮本顕治氏
そしてチラチラ見せてううちに、小出しの譲歩が重なって、露出が激しくなってくるのが日本共産党である。
松竹氏が提唱しているらしい「人間の顔をした資本主義」とて、日本共産党は「ルールある資本主義」と言っており、どう違うのか分からない。
自衛隊違憲論とて、かなり誤魔化して、あたかも自衛隊も安保も認めているかのように見せている気がする。
日本共産党は今後も、共産主義理論・憲法9条とも三つの矛盾をアウフヘーベンし続けるだろう。前者は1.を完全否定するに至った。後者だって1.を完全否定するかもしれない。
かつて宮本顕治氏は、現在の自衛隊はアメリカ帝国主義の補完軍隊だから駄目だ。しかし我々が政権を取ったら軍隊を作る。まやかし解釈はしない旨をと言っていたと思う。その宮本氏いわく、天皇教は認めると。
ではまた。
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