寿司と仏像とおでん

　部屋とワイシャツと私。

仏像キックの若者が「罰当たり」？

【罰当たり】“仏像キック”で大炎上！　信仰対象が肝試しスポットに[2023/01/31 18:15]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000285598.html
『その場所は福岡県広川町。人気のない山道を進んだ先にありました。ぽっかりと口を開ける「ほら穴」。そこで…。
　各地の廃墟などで清掃活動を行っているグループに「仏像の破壊活動が行われている」という情報とともに動画が寄せられたと…』

　「罰当たり」って、非科学的もいいところ。石を蹴ると何だかの力が生じ。人生が下り坂になる筈がない。

　自称「カルト・陰謀論反対」論者とやらが、テレビのスピリチュアルや番組を叩いて「オウムだ統一だズブズブでかわいそうなカルト２世」って騒ぐご時世に、笑っちゃうことに「罰当たり」。それを言い出したら、「東村山で創価学会が朝木明代市議を殺した」なんて、アメリカ民主党が児童性愛者云々レベルの与太話信じてデモやってる連中なんて罰当たりまくりだ。肝試し仏像を信仰してる人って、創価信者に比べて微々たるもの。
　だけど馬鹿左翼は馬鹿だから、場所が九州なのに目をつけて、「肝試しをやってる若者は、廃仏毀釈はいぶつきしゃくの歴史も知らないのか」って、怒るふりして自己顕示欲を満たす奴が出るだろう。こういうのを便乗犯という。

日本史に残る「本テロ」が起きたのに、寿司「テロ」てアホですか？

　そんなわけで、仏像キック肝試しの若者に少し好意を持った。
　あんなもん、イスラム教信者なんかガンガンぶっ壊してるんだし、寿司テロよりはマシなんじゃないか。もっとも、寿司テロを聞いた時、「くら寿司って空いてるんだなあ」と思ったが。
　だいたい、バイトテロも寿司テロも、テロでもなんでもない。特に寿司テロは、日本中を震撼させた本テロのあと。しかも本テロをマスコミはのうのうと「かわいそうな宗教２世」と報道し、「でかした！」「山上様（山神様）」と絶賛する文化人もいるのだ。

　ああいう輩を「迷惑系ユーチューバー」と呼ぶらしい。へずまりゅう氏が代名詞のように呼ばれている。
　しかし自分の記憶では、「おでんツンツン男」という人が最初だったと思う。そしておでんツンツン男は、今回のみみっちい寿司テロに比べて、正々堂々とおでんをツンツンしていた。だからおでんツンツン男が素晴らしいという気はないけれど、へずまりゅうを迷惑系Youtuberの「中興の祖」と呼ぶのはどうかと思う。

おでんツンツン男

　おでんツンツン男事件。調べてみると2016年12月末の事件だった。まだYoutuberという言葉が定着してなかったと思う。
　自分はおでんツンツン男に随分と容認的に書いていた（「ＫＡＺＵＹＡさんとおでんツンツン男はどこが違うのか」）。おでんツンツン男は「豊嶋ニュース日本」というYoutubeを運営し、その一つのネタとして「おでんツンツン」をやった。別に迷惑系ではなかった。当時の私いわく『女子高生の前で勃起した○ンポを露出すれば即座に警察が来る。しかし、志村けんが股に挟んだバレリーナのスワン人形を「勃起」させれば子どもたちは大笑いする。』

　おでんツンツンも寿司テロも、志村けんやたけし軍団がテレビでやってるようなことである。ただ、それはテレビカメラが回ってるし店の許可を取ってたりテレビのセットだったり、それゆえに許される。
　「いや、迷惑系Youtuberは小遣い稼ぎでやっている」というかもしれない。しかし、志村けんもたけし軍団も目的は金儲けだ。両者を隔てるものは「不特定多数への迷惑」だけである。

誰もが志村けんになれる時代

　しかし、誰でも志村けんやたけし軍団になれる時代になってしまった。それどころか、志村けんが未成年に「じい、布団を敷け」とやるよりも、街で制服ＪＫをナンパしてホテルに連れ込んだほうが面白いに決まっている。

　そう考えていくと、仏像キックの若者は、おでんツンツンやお寿司ツンツンとは異質の事件に思える。もっとも、寿司テロと同じく再生回数稼ぎでやってるのかもしれないが、実は迷信を信じてる人以外に、そんなに具体的な迷惑はかかってない。おそらくテレビで「じい布団を敷け」とか「婆さんがタンポンかって見栄を張り」レベルの迷惑度。いや、エロ系とはベクトルの向きがが違う。

　いずれにせよ、今回取り上げた「迷惑行為」の中では、一番マシな事件に思えた。